目にできる小児がん「網膜芽細胞腫」の経験者らが患者会を設立した。治療を終えた若年以降の世代を中心に、将来の発がんリスクに備えるための医療体制や、子どもへの遺伝を避ける検査などについて情報交換する。
 会は「RBピアサポートの会」。21日に発足し現在の会員は患者4人、家族8人の計12人。国内では年80人程度が発症しているとみられ、参加を呼び掛けている。
 会によると、網膜芽細胞腫は網膜にできるがんで大半は子どものうちに診断され、治療後の5年生存率は9割と高い。一方、視力低下や失明を伴うことが多く、進学や就職に不安を抱く患者が少なくない。患者が持つ遺伝子変異や治療の影響で数年から数十年後、別のがんになる危険性もあるが医療体制は十分でなく、会ではこうした問題について情報交換する。
 がんは特定の遺伝子変異が原因で、子どもに遺伝する可能性がある。遺伝を避ける方法として、体外受精させた受精卵の遺伝子を調べた上で、問題のないものを子宮に戻す「着床前診断」があるが、命の選別との批判もあり、国内では網膜芽細胞腫で認められたことはない。会は「希望する人がいれば実施できる環境をつくりたい」としている。 (C)時事通信社