群馬大病院(前橋市)は30日、医師が診察時に診断報告書を前年のものと取り違え、患者のがん治療が8カ月遅れる事案があったと発表した。患者はその後、がんの進行により死亡した。同病院は医療事故調査委員会を立ち上げ、詳しい経過を調べる。
 同病院によると、2016年7月に70代の男性患者がコンピューター断層撮影(CT)検査を受けた際、担当医は、前年に作成された報告書を新しいものと勘違いして診察した。報告書は未作成だったが、電子カルテ上で先頭に表示されていたものを新しい報告書と誤認したという。
 その後に作られた報告書には、悪性疾患の可能性があり、肝臓検査が必要という記載があった。17年3月の別の診療をきっかけに胆管がんが見つかり、報告書の取り違えも発覚。男性は同10月にがん進行により死亡した。
 記者会見した同病院の小松康宏医療の質・安全管理部長は「(本来の)報告書が生かされ、直ちに精査が行われていれば、がんの診断、治療をもっと早く開始することができた。患者、ご遺族に深くおわびする」と謝罪した。 (C)時事通信社