昨秋の東京六大学野球リーグで15年ぶりの勝ち点を挙げた東京大学。野球部を率いる浜田一志監督は、部員の体力づくりには食事が大切で、特に、日本人の主食である「コメを食べろ」と指導する。「食事を十分に取った上で運動をすれば基礎体力の向上につながり、勉強にも効果がある」というのが持論だ。
 浜田氏によると、打撃の飛距離は体重に比例し、体重が約10キロ違うと、飛ぶ距離には10メートル程度の差が出るという。野球部の寮の食堂には、目指す体重と体重別の1日当たりの「ごはんの必要摂取量」が掲示されている。
 例えば目指す体重が70キロの場合、ご飯を食べる量は「練習日」が1580グラム、「体を動かさない日」は1100グラムと具体的に設定。浜田氏は「練習の優先順位はまず食事。しっかりご飯を食べないと練習をさせない」と言い切る。リーグ戦で打撃成績が伸びるなど効果が出始めており、3年生の部員は「体重の増加で飛距離の伸びを感じる」と話す。
 コメは炭水化物に加え、ビタミンやミネラルも含む。浜田氏は「集中して勉強すればおなかがすく。ご飯はカロリーの補給に適している」と太鼓判を押す。
 この指導法に、野球部OBもエールを送る。味の素常任顧問の国本裕氏は「監督が食事に目を向けているのは、運動だけでなく、脳を活性化させる上でも非常に良いこと」と評価する。日産証券顧問の河島毅氏も「コメを食べて基礎体力を上げれば疲れにくくなり、文武両道の実践が可能になる」と指摘。
 河島氏はこの「東大式モデル」活用のために、実証実験を行う準備を進めている。同モデルが高校の野球部などに浸透すれば、コメの需要喚起にもつながりそうだ。 (C)時事通信社