水俣病の公式確認から62年となる1日、熊本県水俣市で犠牲者の慰霊式が行われ、患者や遺族、国や原因企業チッソの関係者ら計約650人が参列して犠牲者を追悼した。遺族代表は「二度と同じ悲劇で多くの人が苦しまないよう見守って」と語り掛けた。
 式典では、水俣病の被害を伝える「語り部」として活動し、2016年4月に84歳で亡くなった金子スミ子さんの長男親雄さん(66)=水俣市=が祈りの言葉を読み上げた。
 親雄さんも2歳のときに水俣病を発症。言語障害で詰まりながらも「『一番苦しんだ人が一番幸せになれる』という強い心を持って、宿命を使命に変え、人に勇気を与える人生を歩んでいく」と力強い声で決意を述べた。
 参列した中川雅治環境相は「患者や家族が高齢になり将来の生活への不安が生じているが、安心して暮らせる社会を実現していく」と述べた。
 水俣病をめぐっては、水銀の採掘や輸出入などを規制する「水俣条約」が17年8月に発効。今年2月には、患者の苦しみを描いた「苦海浄土」で知られる作家石牟礼道子さんが亡くなった。3月末現在、熊本、鹿児島両県で計2282人が患者認定され、1933人が認定申請している。 (C)時事通信社