【台北時事】21日にジュネーブで開幕する世界保健機関(WHO)の年次総会にオブザーバー参加を目指す台湾が、今年も招かれない公算が大きくなっている。日米独などは人道的な観点から、台湾の総会参加を支持する一方、蔡英文政権への強硬姿勢を強める中国が反対しているためだ。外交部(外務省)は「『全ての人に健康を』というWHOの精神を尊重し、台湾を排除しないで」と訴えている。
 外交部は、脚に難病を抱えるベトナム人少女が出演する短編フィルム「ロアンちゃんの作文」を制作し、フェイスブックなどで公開した。台湾の病院で手術を重ね、ようやく歩けるようになった少女が、病院や治療費を提供した企業など台湾側の人道支援に感謝する内容だ。中国語をはじめ日英独など計6言語の字幕版を用意し、医療分野の国際貢献に向けた台湾の能力や決意をアピール。英語版だけで350万回以上再生された。
 外交部によると、総会に参加するためには7日までに登録手続きを行う必要があるが、WHO事務局から招待状は届いていない。「見通しは非常に厳しい」(外交部幹部)のが現状だ。
 台湾は今月、中国の外交攻勢でドミニカ共和国との断交を強いられた。中国の軟化が望めない中、国際世論を味方につける以外に打つ手は限られており、「台湾の主張を粘り強く訴え続ける」(外交部)方針だ。 (C)時事通信社