オウム真理教の元幹部中川智正死刑囚(55)が、2017年にマレーシアで起きた金正男氏殺害事件で使われた猛毒の神経剤VXについて分析し、英語で論文を発表したことが23日、分かった。接見を重ねているコロラド州立大名誉教授のアンソニー・トゥー氏(87)との共著で、日本法中毒学会の電子版学会誌に掲載された。
 論文では、殺害に使われたVXについて、毒性の低い二つの物質を金氏の顔面に塗り付けて混ぜる方法で生成されたと分析。物質を混ぜる生成手法は米陸軍が開発したが、米陸軍とは異なる手法が用いられたと指摘した。
 さらに、教団が1994~95年に起こした3件のVX襲撃事件に触れ、「(VXなどの神経剤が)将来テロに使われる可能性を決して無視するべきではない」と述べている。
 トゥー教授によると、中川死刑囚は「国内外で読まれたい」と考え、英語での執筆を希望。今月、学会に論文が受理されたと知り、とても喜んでいたという。 (C)時事通信社