落語や漫才を見て「笑い」を楽しんだがん患者は、見ていない患者に比べ免疫機能が向上した可能性があると、大阪国際がんセンターの研究グループが29日発表した。
 研究は、大阪に拠点を置く芸能事務所の松竹芸能と米朝事務所、吉本興業の協力で、昨年5月から実施。通院中のがん患者70人を3グループに分け、桂文枝さんの落語やオール阪神・巨人さんの漫才など公演を病院で鑑賞してもらった。
 研究グループによると、昨年5~6月に公演を4回見たグループは、がん細胞を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞などが増加。免疫を高め、がんを抑える作用を持つたんぱく質「インターロイキン12B」を生み出す能力も、平均で健康な人の1.28倍から1.66倍に向上した。
 生活の質(QOL)を尋ねたアンケートでは、特に痛みの症状の改善がうかがえた。笑いを楽しんだ後の気分を調べると、緊張や抑うつ、怒り、活気などの項目で改善が見られた。
 同センターの松浦成昭総長は「笑いを楽しむことで、がんの苦痛から少しでも解放されることは示せた。治療に役立つのはまだ先で、遠い将来に期待している」と話した。 (C)時事通信社