毛髪を生み出す根元の器官「毛包」を体外で増やして移植する技術を開発した理化学研究所の辻孝チームリーダーらは4日、安全性を確認する動物実験を7月から行うと発表した。年内に終え、問題がなければ男性型脱毛症(AGA)を対象とする毛髪再生技術の臨床研究を大学病院で行う方針。
 理研発ベンチャー企業「オーガンテクノロジーズ」(神戸市)の杉村泰宏社長は記者会見で、「当面は(健康保険適用外の)自由診療で2020年以降の実用化を目指したい」と話した。AGAで実用化できれば、女性型脱毛症や生まれつき毛髪が少ない病気の治療法開発に取り組むという。
 AGAは後頭部に残った毛包の細胞を頭頂部などに移植する治療が行われているが、元の毛の密度を復元できない。辻リーダーらは、毛包を構成する3種類の細胞を実験容器で培養して再生し、1個の毛包を100個に増やす技術を開発。京セラ(京都市)と再生毛包の規格化や、自動大量生産に向けた技術開発を進めている。 (C)時事通信社