アルツハイマー病など認知症の前段階に表れる意欲低下の症状は、脳の前頭葉に蓄積する異常なたんぱく質が原因であることを放射線医学総合研究所のチームが突き止め、7日付の英専門誌電子版に発表した。研究成果はアルツハイマー病の早期診断や治療への糸口になると期待される。
 放医研は2013年、脳内の「タウたんぱく質」を陽電子放射断層撮影(PET)装置で画像化することに成功。島田斉主幹研究員らのチームはこの技術を使い、比較的早期のアルツハイマー病患者17人を対象に、タウたんぱく質の蓄積が多い部分と意欲低下の程度との関連を調べた。
 その結果、前頭葉の「眼窩(がんか)前頭皮質」にタウたんぱく質が多く蓄積している患者ほど、意欲の低下が著しいことが判明。この部分の神経細胞死や、他の部分とつながる神経線維の障害も大きいことが分かった。 (C)時事通信社