心臓の筋肉が収縮する力が弱まり、血液のポンプ機能が低下する拡張型心筋症の一因は、大人に成長するにつれ心筋の「ばね」を短く、強くする遺伝子の変異であることが分かった。東京医科歯科大の黒柳秀人准教授や木村彰方教授らが16日までに、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
 心筋のばねが弱い患者の場合、ばねを強くする正常な遺伝子か、同様の役割を果たす化合物を導入する治療法を将来開発できる可能性があるという。
 拡張型心筋症になると、心臓のポンプ機能を担う左心室が拡張し、心筋の収縮力が弱まる。心筋は2種類のたんぱく質で構成される繊維の束が収縮するほか、「タイチン」と呼ばれるたんぱく質のばねも利用している。
 ばねは胎児期には長く、縮む力が弱いが、成長するにつれて短く、強いタイプが増える。タイチンを生み出す遺伝子は変わらないが、別の遺伝子「RBM20」が正常に作用すると短く強いばねになり、変異して作用しないと長く弱いままであることが、日米の患者の遺伝子解析や動物実験で解明された。 (C)時事通信社