人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、さまざまな組織に分化する能力が高いタイプの細胞を分離し、培養する手法を開発したと、劉莉京都大特定准教授(現大阪大特任准教授)らの研究グループが29日、米科学誌ステムセル・リポーツの電子版に発表した。
 従来の技術で作製したiPS細胞は均一ではなく、異常な細胞が混ざっている可能性もあり、目的の細胞を得るのに効率が悪い。
 研究グループは、ゼラチンを材料にした極細のナノファイバーを使って板状の実験器具を作り、iPS細胞の集団を単一の細胞ごとに分離。この中に、単層構造の細胞とドーム状の多層構造のものという二つのタイプがあることが分かった。
 このうちドーム状の細胞は、分化する能力が高いことが判明。このタイプの細胞は、ゼラチンナノファイバーの上でしか維持できず、ゼラチンナノファイバーが培養にも適しているという。
 研究グループは、再生医療向けに均一で品質が高い細胞を安定的に提供することが可能になるとしている。 (C)時事通信社