【北京時事】中国で人口の増加を抑制するために行われてきた産児制限が廃止されるという見方が強まっている。急速な少子高齢化による国力の低下が懸念されているからだ。経済的な見返りを伴う「出産奨励策」も検討されている。ただ、抜本的な対策となるかどうかは不透明だ。
 中国では1979年から1組の夫婦に1人の子供しか認めない「一人っ子政策」が取られてきたが、少子化時代に入り、2016年から2人まで産める「二人っ子政策」に転換した。しかし、国家統計局によると16年の出生数は1786万人で前年を上回ったものの、17年は1723万人に減少。早くも「二人っ子政策」の効果は薄れている。
 今月10日付の共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は、「社会構造の大改革」に向けた第一歩として、産児制限の廃止を求める学者の見解を1面で伝えた。この記事は、米ブルームバーグ通信が今年5月に「中国政府が産児制限の全廃を検討中」と報道したことも紹介。その後も同紙やニュースサイト「澎湃新聞」は、中国政府が出生率低下に歯止めをかけるため子供を育てている家庭に税の減免などの「奨励策」を検討していると報じた。
 「奨励策」の具体化に着手した地方政府もある。遼寧省政府は6月下旬、2人の子供を育てる家庭を対象に税、教育、社会保障、住宅に関する優遇策を検討する方針を決めた。
 同省の出生率低下は長引く地域経済の停滞が影響しているとの見方が有力だ。また、教育をはじめとする養育費の高騰は、中国全体で出産を敬遠する人が増える大きな要因になっている。環球時報は「産児制限が来年廃止されても、(多額の「奨励金」を導入しない限り)出生率上昇につながらない」と指摘する専門家の分析を伝えている。 (C)時事通信社