受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が18日、成立した。規制を求め続けてきたがん患者や医師からは、前向きに評価する意見が出る一方、「子どもが十分に守られていない」と不満の声も上がった。
 日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さん(47)は「当初の厚生労働省案より規制内容が後退したのは残念だが、受動喫煙の被害を訴えてきた立場としては成立をうれしく感じている」と話す。
 国会審議では唯一、衆参両院の厚労委員会に参考人として出席。衆院では自民党議員からやじも浴びたが、「議員の方々に私の気持ちは届いたという感覚はあった」と振り返る。委員会では、改正法施行後の実態調査や追加措置を政府に求める付帯決議が採択された。長谷川さんは「決議の内容を見ると、思いをくんでもらった気がする」と振り返る。
 ただ、改正法は「一番弱い子どもを十分に守っていない」とも感じている。例えば、学校の敷地内を原則禁煙としつつ、屋外の喫煙所設置を認めたことは不満という。
 親が喫煙する家庭の子どもも、「被害の声を上げられない」と気遣う。長谷川さんは「法律が家庭に踏み込んで規制することは難しいのかもしれない。それでも、国が改正法や付帯決議に沿って受動喫煙の調査を進め、健康への影響を示すデータが出てくれば、喫煙をやめる親も増えるのでは」と期待を込める。
 日本禁煙学会理事長で神経内科医の作田学さん(70)も「第一歩としては良い内容の法律ができた」と話す。特に、学会が目標としていた学校や病院、行政機関の全面的な屋内禁煙が盛り込まれたことを評価する。
 一方、加熱式たばこの規制が紙巻きたばこより緩くなったことは「全く不十分」と批判。厚労省は受動喫煙による健康への影響が明らかでないとしているが、「早急にはっきりさせ、見直すべきだ」と求めている。 (C)時事通信社