受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立した。愛煙家への風当たりは強まるばかりだが、ファミリーレストランなどはたばこの煙を嫌う子連れ客を呼び込むチャンスと位置付け、全席禁煙化を進める。一方、顧客に喫煙者の多い居酒屋では多くが対応に頭を悩ませている。
 ファミリーレストランのサイゼリヤは2019年9月までに約1100の全店を全席禁煙とする方針。堀埜一成社長は「客数は(ビジネスマンなど)平日のランチで落ちるだろうが、(家族連れが増える)土日も含めるとトータルでは伸びる」と自信を見せる。
 串カツ田中ホールディングスは6月から、「串カツ田中」の9割強に当たる約180店を全席禁煙に切り替えた。子ども連れの顧客からの要望を踏まえた対応で、居酒屋では異例。禁煙とした店舗のうち、約半数を対象にした調査では、6月の客数が前年同月比2.2%増となったが、売上高は2.9%減と落ち込んだ。
 同社は「お酒を飲みながら多くの食事を取るサラリーマンが減り、あまりお酒を飲まないファミリー層が増えた」(経営戦略部)と、客単価の低下を売り上げ減少の要因の一つとして挙げた。とはいえ、手応えは感じており、禁煙のメリットを訴え、新たなリピーター確保を進める。
 ただし、居酒屋では、こうした禁煙の積極推進派は一部。ある大手チェーンは「先行して禁煙にすれば客を失う。他社の動向を見て慎重に判断する」(広報)と指摘。別のチェーンは「多くの店で喫煙専用室を設ける」(幹部)と話し、当面は喫煙、禁煙それぞれの顧客に配慮する両にらみ姿勢を続けるという。 (C)時事通信社