【ロンドン時事】英政府は今秋、医療用大麻を解禁する。病気の治療目的に限定し、嗜好(しこう)品としての使用は引き続き違法とする。カナダは10月から医療用に加えて嗜好用の解禁に踏み切る予定で、合法化の動きが世界的に広がりつつある。
 ジャビド英内相は「病気に苦しむ子どもたちのことを知り、私は医療用大麻に関する政府の立場に満足できなくなった」と、解禁の必要性を強調。秋以降は医師の処方箋があれば入手可能になると説明した。
 きっかけは、てんかんの深刻な症状を抱える当時12歳の少年が、症状緩和のために海外で処方された大麻由来の医薬品を英国で押収されたことだった。「息子の薬を返して」と訴える母親の悲痛な叫びが共感を呼び、政府を動かした。
 世論も後押しし、高級紙タイムズは社説で「歓迎すべき改革だ」と評価。インディペンデント紙が行った世論調査でも、解禁賛成が51%に上り、反対は35%にとどまった。
 大麻をめぐっては、ドイツ、イタリアなども医療用に限り解禁した。米国は州ごとに対応が異なり、日本は全面的に禁止している。 (C)時事通信社