人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いたパーキンソン病での臨床試験(治験)は、早ければ4年後の製剤化の申請を目標としている。薬など現在の治療法に、新たな選択肢として加わることが期待されている。
 神経細胞を用いる治療としては、中絶した胎児の脳細胞の移植が欧米で行われ、症状が軽い患者への効果が報告されている。京都大チームもサルで実験を行い、体の動かしにくさなど運動に関わる症状が改善することを確認した。パーキンソン病の専門家らは、治験でも効果が表れ、製剤化に成功する可能性があるとみる。
 ただ、病気が進行した患者や、パーキンソン病の症状の一つであるうつや認知症などへの効果は見込めないという。
 移植した細胞が腫瘍になる恐れも否定できない。腫瘍が良性でも周囲の脳の組織に影響を与えれば、まひや意識障害など大きな問題が生じ得る。移植細胞が過剰にドーパミンを分泌し、体が勝手に動く副作用が起きる可能性も指摘されている。
 今回の治験は脳という重要な器官を対象とするだけに、安全性について、より慎重な検証が求められる。 (C)時事通信社