【ニューヨーク時事】米中間選挙を11月に控え、トランプ大統領が物価動向に神経をとがらせている。生活必需品の値上がりで有権者の暮らし向きが悪化すれば、支持率が低下し、選挙の逆風になりかねないためだ。しかし、大型減税や財政出動による景気刺激策、貿易赤字削減を狙った外国製品への追加関税措置など、皮肉にもトランプ氏自身の政策が物価上昇を招いているとの指摘も多い。
 「今すぐ価格を下げろ!」。7月4日の米独立記念日。トランプ氏はツイッターで原油高への不満をぶちまけ、主要産油国で構成する石油輸出国機構(OPEC)に増産を要求した。消費者がガソリン価格に敏感になるドライブシーズンを迎える中、物価抑制に取り組む姿勢をアピールする狙いがにじむ。
 しかし、そもそも原油高のきっかけはトランプ氏の強硬な対イラン政策だった。イランの核開発抑止を目指した国際合意から離脱したり、イラン産原油の輸入停止を各国に呼び掛けたりしたことで供給不安が拡大。米原油先物相場は6月下旬に約3年7カ月ぶりの高値を付けた。
 トランプ氏の批判の矛先は薬価にも向けられた。7月初めに一部の処方薬の値上げを実施した製薬大手ファイザーなどに対し「理由なく薬価を引き上げたことを恥じるべきだ」とツイッターに投稿。その後、ファイザーのリード最高経営責任者(CEO)との交渉で値上げを撤回させた。ただ、各社は価格凍結は最長でも年内までとしており、中間選挙後は引き上げられる公算が大きい。民主党のワイデン上院議員は「(トランプ氏は)例年の値上げの原因となる根本的な課題に対処せず、せこい得点稼ぎに忙しい」と皮肉った。 (C)時事通信社