横浜市神奈川区の大口病院(現・横浜はじめ病院)で入院中の患者が相次いで中毒死した事件で、殺害された興津朝江さん=当時(78)=について、県警の要請でカルテを精査した外部の医師が「死亡の経緯に不自然な点がある」と指摘していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。
 県警は18日、病院内に保管してあった点滴袋に消毒液を混入し、入院中の興津さんを殺害した疑いで元看護師の久保木愛弓容疑者(31)を再逮捕。横浜地検に20日、送検した。
 県警によると、興津さんは転倒で負傷した膝の治療で、2016年9月13日に同院へ入院した。健康状態に深刻な問題はなかったが、点滴を投与された16日午前以降、容体が急変。同日午後死亡した。
 一連の事件発覚前だったため、同院の医師は興津さんの死因を多臓器不全による病死と判断。県警の捜査開始時には火葬されていた。
 捜査関係者によると、県警は同時期に死亡した複数の患者について、カルテの精査を外部の医師に要請。医師は興津さんが直前まで元気だったことなどを踏まえ、「死亡の経緯に不自然な点がある」と指摘したという。
 その後、興津さんの血液が別の病院に保管されていたことが分かり、鑑定の結果、消毒液の成分が検出された。 (C)時事通信社