人工多能性幹細胞(iPS細胞)から止血作用を持つ血小板を作り、血液の難病患者に輸血する臨床研究計画を厚生労働省に申請したと、京都大の江藤浩之教授らのチームが20日、記者会見して発表した。
 チームは5月に学内委員会の承認を得て、7月に厚労省に計画を提出した。厚労省の部会が今月29日、審議する予定。
 計画の対象は、血液中の血小板などが減少する難病「再生不良性貧血」の患者1人で、他人の血小板の輸血では拒絶反応を起こしやすい。このため、自身の血液からiPS細胞を作製。iPS細胞から血小板を大量に作って本人に3回輸血した後、1年間、経過を観察して安全性を検証する。
 会見で江藤教授は「血小板の製造工程は(他人のiPS細胞を利用する場合と)共通化されている。安全性評価を厳密にしていただければ今後の製造、治験(臨床試験)に役立てられる」と話した。
 iPS細胞から作った細胞を患者に移植する研究は、これまでに目や心臓、神経の病気で認められた。患者自身のiPS細胞を利用するのは、2014年に理化学研究所が世界で初めて実施した目の難病での移植に続き2例目となる見通し。 (C)時事通信社