環境省は2019年度、地方自治体や企業が独自に実施している熱中症予防策の中から有効な対策を発掘する事業を展開する方針を固めた。高齢者の見守り事業と連動させた施策や、イベントなどで大型設備を導入せずにできる暑さ対策などを探しだし、先進事例として広めたい考え。同年度予算概算要求に必要経費として6600万円を計上する。
 総務省消防庁によると、熱中症による救急搬送者数は今年4月30日から8月19日までで8万2014人に上り、過去最高を更新。救急業務を担う市町村やイベントを主催する企業にとって、大きな問題になっている。
 例えば東京都千代田区では、高齢者の自宅を看護師が訪問し、エアコンの使用状況や家族構成から熱中症の危険性が高い人を見つけ、集中的に支援する対策を実施。日本気象協会は今年、都内の庭園で和傘を無料で貸し出す企画を行っている。ただ、こうした施策は広く浸透しているとは言えないため、環境省は全国から効果的でユニークな事例を探しモデル事業として実施することにした。
 同省は、発掘した予防策の効果を分析し、他の自治体や企業でもできるよう制度設計した上で、複数の自治体や企業に紹介する。良い結果が出れば、各地で説明会を開くなどして、取り組みを全国に普及させる考えだ。 (C)時事通信社