東京大などの研究チームは、多数の細胞の中から分析したい細胞だけを高速、高精度に自動選別する装置を開発した。さまざまな細胞を分析する生命科学や医学などの分野で、大幅な効率化が期待できるという。論文は27日付の米科学誌セル電子版に掲載された。
 生命科学や医学の研究で細胞の分析は欠かせないが、多種多様な細胞一つ一つを顕微鏡で確認しながら、詳しく調べたい細胞を選び出すのは手間と時間がかかる。1970年代に蛍光抗体で染色した細胞を自動選別する装置が開発されたが、細胞内の分子構造や詳細な形状に着目した高精度の選別は不可能だった。
 東京大の合田圭介教授らは、多数の細胞の中から一つ一つの細胞を高速撮影して解析し、特徴を持つ細胞だけを自動で選び出す装置を開発。1秒間に100個のペースで、選別することに成功した。
 画像解析には、人工知能(AI)技術の一つ、深層学習(ディープラーニング)を利用。あらかじめ指定した特徴を持つ細胞を選び出せるほか、人間が気付かない特徴も抽出できる可能性があるという。
 実験では、緑藻類の中に1%だけ含まれる遺伝子変異を起こした細胞を解析。従来の手作業では半年かかる選別作業を40分で終えたほか、凝集した血小板の塊だけを抽出する作業も、手作業では1日かかるところ、1分間で終えた。 (C)時事通信社