企業の管理職の4割、国会議員の4割が女性-。「女性の社会進出先進国」として知られているスウェーデンが、今の状況をどうつくり上げたのかを探る討論会「男女平等を実現する手段としての税制 スウェーデンの経験と日本の選択」が11日、在日スウェーデン大使館(東京都港区)で開かれた。
 日本でも今年1月からの配偶者控除見直しをめぐり、税制と女性の社会進出を絡めた議論が盛んになったのを踏まえて行われた。来日したスウェーデンのレイヨン元法相は、女性の社会進出を促した転換点と言われる1970年代初頭のスウェーデンの税制改革について「(突然)クーデターが起きたわけではない」と指摘。60年代から盛んに議論を重ね、先行して一部を導入し試してみた上での変革だった点を強調した。
 スウェーデンは70年代の税制改革で、世帯を基本にした「夫婦合算税方式」から、男性も女性も一課税対象として扱う「個別課税方式」に切り替えた。個々人の生涯所得に基づいて年金支給額を決めるなど、男女共に働きに出るよう促す体制づくりを進めていった。
 レイヨン氏は、フランスの作家ボーボワールや米学者マーガレット・ミードに代表される60年代の「性の革命」やフェミニズムの世界的な高まりが、当時のパルメ首相らを改革の方向へと導いた面があると振り返った。ただ「男女平等と並び、既婚女性を労働予備軍と見なす需要も強かった」と語り、深刻な労働力不足に陥っていた経済界からの要望があったことも指摘した。
 ストックホルム大のアニタ・ニベリ名誉教授は「税制改革の前から女性の就労は増え始めていた」と分析。現実を追認する格好で制度を変えた結果、女性の社会進出をますます促したと考えている。
 一方で、税制改革の後も「子育て支援、産休や育児休暇の拡充、子育て中の親の時短勤務の権利確立、父親の子育てや家事参加の意識改革といった対策を次々行って、子供を育てながら母親が働ける環境づくりを続けている」と強調。「こういうことは徐々に進むもので、時間はかかる」と語り、スウェーデンも一夜で変わったわけではないと解説した。 (C)時事通信社