北海道を大規模な地震が襲った2日後、震度6強を記録した安平町でこども園が再開していた。出勤できなくなった保育士の代わりに、50人のボランティアを確保。小学校が臨時休校となる中、町職員や消防士らの子どもを預かり、復旧に向けた動きを下支えした。
 いち早く再開したのは同町早来大町の「はやきた子ども園」。
 同園には職員が60人いるが、被災したため10人程度しか出勤できなくなった。そこで、井内聖園長がSNSで協力を呼び掛けると、大学生らが応じ、保育士の代わりを務めてくれたという。同園は地震2日後の再開にこぎ着け、その後3日間で1日平均70人の子どもを受け入れた。
 同園に通う土屋佑月君(5)の父親は消防士で、発生直後から救助活動に奔走した。薬局勤務の母朋子さん(43)は散乱した家財の片付けに追われ、「夫が仕事でいない中、再開はとても助かった」と振り返った。同園では、医師の子どもは診療時間に合わせ、早い時間から預かるようにした。
 親が復旧作業に専念できるよう協力する一方、井内園長は子どもたちの心のケアに配慮したという。東日本大震災など過去の災害では心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したケースが報告されたからだ。
 井内園長は「災害が起こると子どもは後回しになってしまう。安心できる居場所をいち早く提供したかった」と話す。佑月君も夜に1人でトイレに行くのを怖がるようになったが、園の再開後は「友達と遊ぶおかげか少しずつ元気になっている」(朋子さん)という。
 安平町は土砂災害の恐れなどから、一部地域への避難指示が継続している。井内園長は「恐怖体験を残したまま大人になってほしくない。行政や親はやることがたくさんあり子どもの細かい変化まで気が回らない。その分僕らが踏ん張らないと」と力を込めた。 (C)時事通信社