北海道地震で最大震度7を観測した厚真町などでは今も断水が続き、避難生活の長期化が懸念されている。専門家は、被災者が水分摂取を控える原因にもなる仮設トイレの環境改善の重要性を指摘する。今回の地震では一部の避難所で、快適性を重視して開発された「コンテナ型」や障害者のための福祉トイレカーが配備され、被災者から好評を博している。
 コンテナ型の仮設トイレは、厚真スポーツセンターなどの避難所に設置された。製造した「ウォレットジャパン」(札幌市)によると、発光ダイオード(LED)照明を採用するなど明るく清潔に、快適性を高めたのが特徴。洋式の水洗トイレを備え、男女別に区切られているため女性も使いやすい。床下に約4600リットルの汚水タンクを内蔵しており、給水タンクや発電機を接続すれば断水や停電時でも約1万回連続で使える。
 利用した避難者の女性(74)は「足が悪くて膝が曲がらないが、洋式で使いやすく、便利できれい」と評価した。
 同町の総合福祉センターには、苫小牧市が2016年に公用車として導入した「福祉トイレカー」が駆け付けた。2トントラックの荷台部分が障害者用トイレになっており、昇降用リフトも装備。水を一切使わず、おがくず内の微生物が排せつ物を分解するバイオトイレが搭載され、間接照明など内装にもこだわった。車いすの男性(54)は「糖尿病でトイレの使用頻度が高いが、きれいで最高だ」と感謝した。
 日本赤十字北海道看護大の根本昌宏教授は「避難生活はトイレに始まり、トイレに終わる。災害時だからといって『狭くて汚くても我慢しよう』という文化は変えるべきだ」と訴えた。 (C)時事通信社