【ニューヨーク時事】国連総会のために各国首脳らが米ニューヨークに集まるのに合わせ、国連本部で26日、初の結核のハイレベル会合が開かれる。結核は薬剤による治療が可能にもかかわらず、単独の病原体による感染症としては世界最大の死者を出している。会合開催を通じ、結核への国際社会の関心を高め、結核根絶に向けて対策強化につなげたい考えだ。
 会合は日本とアンティグア・バーブーダが共同議長を務め、結核対策費を現在の2倍近い年間130億ドル(約1兆4600億円)に拡充するなどの対策が盛り込まれた政治宣言案を採択する。会合には100カ国以上の首脳らが参加する見通しだ。
 世界保健機関(WHO)が今月公表した結核の報告書によると、2017年の結核の新規感染者は推定1000万人。死者は130万人で、エイズウイルス(HIV)との重複感染による死者は30万人だった。主要な薬剤に耐性のある結核の感染者は55万8000人に上り、インドや中国、ロシアに多い。
 公益財団法人結核予防会結核研究所の加藤誠也所長は、結核は感染力自体は強くないものの、感染期間が長いため、「コントロールが難しいのが広がる大きな理由」と話す。WHO当局者は「結核は治療も予防も可能」だが、貧困国などでは「適切な治療が受けられない」として、情報提供や包括的な保健体制の構築の必要性を訴える。
 日本は20年までに、人口10万人当たりの罹患(りかん)率が現在の13.9から10以下の低まん延国となることを目指している。日本の感染者は高齢者が中心で、「おそらく結核が流行していた1950~60年代に感染し、高齢になり免疫が低下して発病した人が多い」(加藤所長)という。 (C)時事通信社