企業の健康保険組合で構成する健康保険組合連合会(健保連)の佐野雅宏副会長は時事通信のインタビューに応じ、75歳以上の医療費自己負担を2割に引き上げなければ「国民皆保険制度が崩壊しかねない」と述べ、早急な見直しを求めた。
 -各健康保険組合の運営は。
 相当厳しい。保険料の上昇に耐えられず解散する健保も出ている。根本問題は高齢者医療費への負担金だが解決の兆しは全く見えない。
 -健保組合の2017年度決算が発表された。
 08年に後期高齢者医療制度が始まって10年がたった。この間、従業員1人当たりの年間収入は約4万円減ったが、天引きされる保険料は10万円超増えた。そのうちの6万円以上は高齢者医療への負担金だ。25年には負担金がさらに1兆円以上増える見通しで、これを減っていく現役世代が支えなければいけない。本当に国民皆保険制度が崩壊しかねないとの危機意識がある。
 -どうすべきか。
 高齢者医療費は税金で賄うか、現役世代の保険料を上げるか、自己負担を増やすか、3択だ。
 -後期高齢者の負担引き上げは必要か。
 どう考えても避けられない。特に75歳以上の人数が増え、医療費も膨らむ中で今までのように半分以上を現役世代が負担する制度は全く持たないだろう。健保連の意識調査でも、高齢者自己負担割合引き上げを求める声は高齢者からも出ている。多くのお年寄りは子や孫に負担させたいとは思っていない。
 -消費税については。
 アップは不可避だ。早く10%に引き上げ、その次のステップを考えてほしい。
 -健保連の取り組みは。
 高齢者を含め健康な人を増やすための保健事業と、病気などの重症化を防ぐ取り組みを併せて進める。今後は若い世代にも医療制度に関心を持ってもらえるよう工夫を重ねたい。保険料負担は天引きなので分かりにくいが、自分の問題と捉えてもらいたい。 (C)時事通信社