「学生の頃からスケールの大きな、すごいやつだった」。ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶佑・京都大特別教授(76)と医学部の同期で、60年来の親交がある中西重忠・同大名誉教授(76)。本庶さんの印象をこう語ると、ノーベル賞の受賞を「もうそろそろと思っていたから、驚きもしない」と笑った。
 中西さんが本庶さんと出会ったのは、京大医学部に入学した18歳のころ。一緒にスキーや旅行を楽しんだ。2人とも実際に患者を診察する臨床よりも、基礎研究、特に生化学に興味を持ち、意気投合したという。
 他の学生も交えて勉強会をよく開いたといい、「夜、偉い先生のところに行って話を聞くんだけど、結局夕飯を食べさせてもらったりした」と振り返った。2人は研究室に進む際、生化学の国際的権威だった故早石修さんの門下となった。
 研究生活に入ると、本庶さんの「すごさ」を感じたという。「本当に知りたいことを自分の頭で考えて突き進む。発想が論理的で、十分準備して勉強して、その道を進む。横で見ていて本当にすごいと思った」と話す。
 本庶さんは免疫学、中西さんは神経科学で、それぞれ一流の研究者になってからも親交は続いた。「違う分野で、性格も違うけど、科学に関しては率直に議論ができる。そこは面白い、面白くないとか、もっとこういうことを考えろとか」。実験技術などで壁にぶつかると、お互いに研究室の学生を送り、必要な技能を習得させるなど協力し合うこともあった。
 今でも月に1、2回は顔を合わせるという2人。本庶さんにどんな言葉を掛けたいか尋ねると、「特にないよ」と一言。「彼のすごさを知っていて、それがたまたまノーベル賞をもらったわけだから。すばらしいことだけど、『おめでとう』だけで十分済む」と語った。 (C)時事通信社