京都大の本庶佑特別教授(76)がノーベル医学生理学賞に選ばれたことを受け、東京都内の大型書店では2日、本庶さんの著書を目立つ場所に置いたり、出版社に発注したりするなど対応に追われた。もともと出回っている部数が少なく、急きょ重版を決めた出版社もある。
 千代田区神田神保町の三省堂書店では、本庶さんの著書2冊を、受賞決定を報じる記事と一緒に並べた。同店を訪れた板橋区の阿部薫さん(65)は「すぐ役に立つ研究が尊重される風潮だが、基礎研究に国はもっとお金を出すべきだ。がんの免疫療法がどう発見されたのか、ぜひ本を読んで知りたい」と話した。
 コーチャンフォー若葉台店(稲城市)には在庫が2冊しかなく、男性店員は「これから発注するだろうが、注文が殺到していると思うのでいつ届くか分からない」。本庶さんの単行本「いのちとは何か」の出版元、岩波書店は約3000部の重版を予定し、担当者は「書店からの注文で朝から電話が鳴り、立て込んでいる」と忙しそうだった。
 一方、JR東京駅近くの大型書店は「文学賞と違い、自然科学の賞では飛ぶように売れることはなかった」(担当者)とし、今のところ発注予定はないという。 (C)時事通信社