マウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使って唾液腺を再生したと、昭和大の美島健二教授や理化学研究所・生命機能科学研究センター(神戸市)の辻孝チームリーダーらが11日発表した。人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)による唾液腺再生にも取り組んでおり、唾液の分泌が減るドライマウス患者に移植する治療の実現を目指している。
 ドライマウスは口内が乾燥し、食物を飲み込めなくなったり、感染症にかかったりする病気。論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載される。
 辻リーダーらは東京理科大教授当時の2013年、マウス胎児の2種類の幹細胞を組み合わせて立体的に培養し、唾液腺のもとを生み出したと発表した。
 昭和大の美島教授や田中準一助教らは今回、マウス受精卵から作られ、増殖可能なES細胞を口腔(こうくう)粘膜に変えた上で、特定の2遺伝子の働きを強めて唾液腺のもとを生み出した。さらに、辻リーダーらとともにあらかじめ大唾液腺を切除したマウスに移植し、基本的な機能を備えた唾液腺に成熟させることに成功した。 (C)時事通信社