沖縄科学技術大学院大などの研究チームは、致死性の高い感染症エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスの構造を原子レベルで解明し、17日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。有効な治療法がないエボラ出血熱の治療薬開発へ貢献が期待される。
 エボラウイルスは細長い形のウイルスで、感染した細胞内では、多数の核たんぱく質にRNAが巻き付いた、らせん型構造(複合体)を作り、細胞内の分解酵素から身を守っている。
 同大の杉田征彦・元研究員(現大阪大特任研究員)らは、実際のエボラウイルスの代わりに、安全なRNAを使って同じ構造の複合体を作製。生体内に近い状態で観察できる「クライオ電子顕微鏡」を使い、RNAと核たんぱく質の結合部や、核たんぱく質同士の結合部の構造を原子レベルで明らかにした。
 杉田さんは「複合体を作れなければ、ウイルスは増殖できず、病気も起こせなくなる。構造が解明され、国際的なデータベースとして公開されることで創薬につながる」と話している。 (C)時事通信社