児童虐待の情報を児童相談所と警察の間で全て共有することで、事案の見落とし防止といった効果が期待される。一方、共有情報の増加に伴い、身体的虐待など重篤事案への対応が関係機関で不十分になるといった意見も聞かれる。
 「共有する情報の幅が広がり過ぎるため、本当に連携しなければならないケースへの周知があいまいになる懸念がある」。調査ではこうした指摘が目立った。特に虐待通告の多い自治体では共有件数が膨大になり、管理の負担が大きくなる恐れもある。2017年度の虐待対応件数が2656件に上るさいたま市は、実施に向けて検討中で、児相担当者は「情報共有の方法を工夫することが重要になる」と話す。
 先行する自治体では、重篤事案が埋没する事態を避ける取り組みを実践。高知県は、児相など関係機関が虐待事案の対応を検討する実務者会議を全市町村に設置し、それぞれの会議に管轄する警察署が参加。市町村単位で連携を深め、きめ細かく事案を管理する。 (C)時事通信社