【ニューデリー時事】世界最悪レベルの大気汚染に悩まされるインドの首都ニューデリーは秋に入り、例年通り汚染が深刻化している。花火や爆竹を大量に使うヒンズー教最大の祝祭「ディワリ」から一夜明けた8日には、微小粒子状物質PM2.5の1日平均濃度が日本の環境基準の約13倍を記録。行政当局は汚染源の規制に力を入れるが、実効性は限られ、対応に苦慮している。
 インドでは経済成長の陰で、環境汚染が問題になっている。特に大気汚染は深刻で、今年5月に発表された世界保健機関(WHO)のPM2.5濃度に関する調査では、インドの都市がワースト14位までを独占した。ニューデリーはワースト6位で、北京の約2倍、日本の環境基準の約10倍のPM2.5が大気中を浮遊していることになる。
 原因は、農業が盛んな周辺州での野焼き、急増する建設工事や車の排ガスなど多岐にわたる。中でもディワリを祝うのに使われる花火と爆竹が汚染悪化に大きく影響する。秋から冬にかけては風があまり吹かないこともあり、汚染物質が大気中に滞留し、毎年ディワリを境に市内は濃いスモッグで覆われる。
 行政当局は今年のディワリに当たり、有害物質の少ない花火や爆竹に限るとともに、使う時間を2時間に規制。警察当局は警官約1万人を動員し、規制に抵触する花火や爆竹を使用したとして8日までに約400人を拘束した。
 在インド米大使館の計測では、ディワリ翌日のPM2.5濃度は、昨年の85%程度にとどまった。ただディワリ当日は深夜になっても花火や爆竹の音が鳴り響いており、「友人と規制対象になっている花火を一晩中楽しんだ」(タクシー運転手の男性)という人も多い。人口2000万人超のニューデリーで、規制を徹底させるのは困難で、大気汚染緩和にはなお対策が必要となりそうだ。 (C)時事通信社