電動車いすが踏切内で立ち往生し、高齢者が電車にはねられ死亡する事故が急増しているとして、製品評価技術基盤機構(NITE)が調査に乗り出したことが10日、分かった。過去10年間で4人だった踏切内の死者は、今年だけで既に5人に上り、対策が急務と判断した。調査結果を基に、消費者に注意喚起する方針。
 電動車いすは電動モーターを原動力とし、腕力や握力が弱くても利用できるため、高齢者らの重要な交通手段の一つとなっている。警察庁によると、電動車いすの事故による負傷者は2008~17年に年間144~242人、死者は同5~13人で推移。踏切内の死亡事故は08年1人、12年2人、13年1人の計4人にとどまっていた。
 しかし、消費者庁や各地の県警などによると、18年は判明分だけでも1月~9月末に、山梨、愛知、兵庫、和歌山の4県で計5人の男女が踏切内の事故で死亡した。いずれも69~90歳の高齢者で、何らかの原因で電動車いすが踏切内で立ち往生するなどし、電車が非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。
 「今年は特に事故が相次ぐ」(電動車いす業界団体幹部)として、注意喚起などの対策を求める声が強まっていた。 (C)時事通信社