人工多能性幹細胞(iPS細胞)から神経の細胞を作り、脊髄損傷で手足を動かせなくなった患者に移植する慶応大チームによる世界初の臨床研究計画を、同大の専門委員会が13日、大筋で認めた。計画の細部を修正した上で近く正式承認される見通しで、チームは厚生労働省に計画を提出し、了承されれば2019年内にも移植を行う。
 研究を実施するのは岡野栄之教授(分子神経生物学)と中村雅也教授(整形外科)らのチームで、京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)が健康な人から作ったiPS細胞を提供する。チームはiPS細胞を神経のもとになる細胞に変え、脊髄損傷から2~4週間たった患者4人の損傷部位に約200万個を注射する計画だ。
 移植後は通常の脊髄損傷で行われるのと同様のリハビリを実施。移植した細胞が腫瘍化しないかなどの安全性と、手足の動きが改善するかなどの効果を、1年かけて検証する。
 脊髄損傷は、背骨の中を通る神経「脊髄」が事故などで傷つくことで起き、足や手を動かせなくなる。国内の患者は10万人以上とみられている。
 チームは、法に基づいて慶応大に設置された専門委員会に計画を申請していた。 (C)時事通信社