障害者の働く場として農業を活用する「農福連携」で、生産品の販路を拡大しようと、社会福祉法人などでつくる協会が通販サイトを開設した。売り上げは農作業や加工に従事する障害者の工賃に充てられ、自立につながる。サイトの担当者は「手間暇かけた商品を、ぜひお歳暮に」と呼び掛けている。
 一般社団法人「日本農福連携協会」が10月にオープンした「ノウフクオンラインショップ(https://noufuku.shop/)」には、農産品生産に取り組む全国の9団体が参加。米やソーセージ、アイスクリームなど約20品を販売している。今後、参加団体や商品を増やす計画で、サイトでは生産方法や作業風景なども紹介されている。
 サイト開設の背景には、低い工賃にあえぐ福祉側の悩みがある。一般的な就労が難しい障害者は、技能を身に付けながら働く就労継続支援事業を利用している。ただ、作業の収益から支払われる工賃は、全国平均で1人月1万5000円程度にとどまる。障害者年金と合わせても社会的自立は困難なため、販路拡大による高収益化が求められていた。
 一方、農家の高齢化や後継者不足も深刻化。農林水産省によると、全国の耕作放棄地は富山県の面積とほぼ同じ約4200平方キロメートルに及ぶ。
 タッグを組んで両者の課題を乗り越えようと、有志が昨年3月に任意団体を設立。一般社団法人の協会へと改組し、活動を本格化させた。
 障害者らが生産した商品の購入は、リサイクルや寄付金付きの製品などと共に「エシカル(倫理的)消費」と呼ばれ、消費者庁が推奨する。同協会の太田みどりさんは「農福商品の購入が地域の課題解決につながります」とアピールしている。 (C)時事通信社