厚生労働省は28日、妊娠している女性が医療機関を受診すると医療費が上乗せされる「妊婦加算」の適用を厳格化する方向で調整に入った。妊婦だと把握せず診察した場合などは上乗せを認めないことを明確にする。年内にも都道府県などに通知を出し、医療機関に周知する。
 今年4月の診療報酬改定で、妊婦が医療機関の外来を受診した場合、初・再診料が上乗せされた。窓口負担3割の場合、初診は約230円、再診では約110円増える。
 妊娠中は胎児への影響を防ぐため、処方薬や検査方法に注意が必要だ。こうした事情に配慮し、医師らの代表者で構成する中央社会保険医療協議会(中医協)が妊婦加算を新設し医療機関の報酬を増やすことを決めた。
 一方で、妊娠した女性の自己負担増につながることから、ネット上では「少子化に逆行する」「妊婦税だ」などと疑問を投げ掛ける声も続出している。
 指摘を受け、厚労省は12月の中医協で妊婦加算の扱いを改めて議論する。診察後に妊婦と知ったにもかかわらず加算するような「不適切な算定」を行わないよう医療機関への徹底を求める。
 妊婦加算の対象となる医療の絞り込みも検討する。現在は全ての診療科で加算が発生し、細かな決まりはない。中医協では、対象の医療行為を定めたガイドライン策定も視野に協議する。
 例えば、コンタクトレンズを作るため眼科にかかった場合でも加算されるが、厚労省はこうしたケースを対象外とする考え。
 ただ妊婦の外来診療での負担増は変わらず、反発が収まるかどうかは不透明。厚労省は加算となる事例を分かりやすく示しつつ、制度の趣旨について理解を求めていく方針だ。 (C)時事通信社