人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬候補を見つけ、医師主導の臨床試験(治験)を始めたと、慶応大チームが3日付で発表した。iPS細胞を使った創薬を目指す治験は、国内3例目。
 ALSは筋肉を動かす指令を伝える神経細胞が死に、全身の筋肉が痩せていく難病で、国内の患者数は約1万人。
 慶応大の岡野栄之教授らのチームは患者の血液からiPS細胞を作り、病気の状態の神経細胞を作製した。他の病気の薬として使用されているさまざまな化合物を添加したところ、パーキンソン病治療薬のロピニロール塩酸塩に、細胞の死を抑えるなどの効果があることが分かった。
 治験では15人に薬の候補、5人に偽の薬を約半年間投与して比較し、安全性と有効性を検証する。いずれも通常の治療薬を併用する。
 患者のiPS細胞を使って見つけた薬の治験は、筋肉が骨に変わる難病で京都大、遺伝性の難聴で慶応大が始めたのに続き3例目となる。 (C)時事通信社