副作用の少ない抗がん剤治療の研究を進めている熊本大の前田浩名誉教授らの研究チームは3日、血管拡張作用を持つニトログリセリンなどを併用することで、抗がん剤をがんに集中して送り込む「EPR効果」を増強することができると、マウスなどでの実験で証明したと発表した。論文は3日付の米国がん学会の機関誌に掲載された。
 EPR効果はがん組織に張りめぐらされた血管壁の隙間が、正常な血管壁の隙間より大きいことに着目した仕組み。高分子抗がん剤は、がん組織周辺の血管からのみ流れ、がんを攻撃する。また、ニトログリセリンや特定のアミノ酸は血流を促進し、抗がん剤が血管内で滞るのを防ぐという。
 前田氏らは研究で、これらを併用投与すると、高分子抗がん剤のみの場合と比べ約2~3倍、がん組織に届くことを発見。腫瘍治療効果は従来の2~5倍になったという。前田氏は今後、臨床試験の実施を目指す。 (C)時事通信社