武田薬品工業は5日、大阪市内で臨時株主総会を開き、約7兆円を投じるアイルランド製薬大手シャイアーの買収に必要な新株発行に関する議案を提出し、賛成多数で承認された。賛成票は、議案可決に要する3分の2を上回り、90%程度に達した。買収手続きは来年1月8日に完了する見通しとなった。
 買収をめぐっては、創業家の一部を含むOB株主らでつくる「武田薬品の将来を考える会」が財務悪化などの懸念から異議を唱えたが、反対票は議案否決に必要な3分の1に届かなかった。
 武田のクリストフ・ウェバー社長は「賛同が得られてうれしい。当社が高い競争力を有する企業になると確信している」とコメント。考える会幹部で、創業家の武田和久氏(78)は記者会見で「武田の将来が不安だ。経営のかじ取りを誤らないように、今後も会社との対話を進めたい」と語った。
 総会には、株主848人が出席。株価低迷や配当などに関する計10件の質問があり、所要時間は2時間24分だった。
 武田によるシャイアー買収は日本企業による海外企業の買収で過去最高額。武田は時価総額が自社を上回るシャイアーの買収に伴い、新たに3兆円規模の債務を抱える。 (C)時事通信社