【ストックホルム時事】今年のノーベル医学生理学賞を受ける本庶佑・京都大特別教授(76)がストックホルムで10日夕(日本時間11日未明)に開かれる授賞式に臨む。受賞者はえんび服の着用が通例だが、本庶さんは和服で出席する予定。日本人の和装は1968年に文学賞を受けた小説家の川端康成氏以来で半世紀ぶりとなる。
 ストックホルムのコンサートホールで開かれてきた医学生理学賞など5賞の授賞式は、華やかで格式高い行事。厳格なドレスコード(服装規定)があり、男性はえんび服、女性はイブニングドレスの着用が求められる。男女とも自国の「民族服」を着ることもできる。
 オスロで授賞式が開かれる平和賞は、ドレスコードが緩やかだ。欧米以外からの受賞も多く、パキスタンの女性教育活動家マララ・ユスフザイさんが民族服で臨んだ例などがある。
 一方、ストックホルムで行われる授賞式では、民族服姿はまれだ。「知っていそうで知らないノーベル賞の話」の著書がある北尾利夫さんは「医学生理学賞などの自然科学賞は欧米が中心。民族服で出席した人はほとんどいないのでは」とみる。日本人の受賞者も川端氏を除き、現地の老舗店でえんび服を借りるケースが多かった。
 本庶さんは着物の街でもある地元京都で黒色の紋付き羽織はかまをあつらえ、文化勲章親授式などでも着用してきた。ノーベル賞での着用については「日本で研究してきた心構え」と理由を話している。
 京都織物卸商業組合の野瀬兼治郎理事長は黒の紋付き羽織はかまを「洋装のえんび服に相当する最も格式の高い服装」と解説。授賞式での着用で「世界中の人に和装に注目してもらえる」と期待している。 (C)時事通信社