障害者が交通事故に遭った際の保険金支払いをめぐり、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の損害調査を行う「損害保険料率算出機構」(東京都新宿区)が、新たに生じた体のしびれなどを後遺症として認定するよう運用を変更したことが24日、分かった。保険会社の対応が変わり、後遺症に苦しむ障害者の救済につながると期待される。
 保険各社はこれまで障害者が事故に遭って別の部位にしびれなどの後遺症が出ても、「神経系統は同一の部位だ」などと主張し、同機構の運用方針に従い、原則として自賠責保険の支払いを認めなかった。
 しかし、足が不自由な男性が、交通事故で腕にしびれが出たとして、自賠責保険の支払いを求めた訴訟の判決で、東京高裁は2016年1月、「原因が異なるため同一部位の障害ではない」と判断。支払いを拒む保険会社側の主張を退けた。
 17年12月には、胸椎損傷で下半身に障害がある福岡県の男性(44)が追突事故で首に痛みが出たなどとして、自賠責保険の支払いを請求。今年6月、保険会社から後遺症と認定し、支払い対象とするとの連絡があったという。
 同機構は高裁判決後、障害者の後遺症の認定について運用を変更したといい、担当者は「高裁判決を考慮し、特例的に認定の運用方法を変更した」と話した。
 福岡県の男性の代理人を務める小杉晴洋弁護士は「自賠責は大量の交通事故被害者を迅速に救済するため、画一的に運用をしていた」と指摘。運用の変更について、「障害者救済に前進した。差別のない世の中に向けた第一歩になれば」と語った。 (C)時事通信社