国立がん研究センターは、終末期のがん患者の36%が、死亡する前の1カ月間を痛みがある状態で過ごしていたとする調査結果を発表した。終末期の実態に関する全国調査は初めて。同センターは「苦痛を和らげる緩和ケアの改善が必要だ」と分析している。
 同センターは今年2~3月、2016年にがんで死亡した患者の遺族を対象にアンケートを実施。3204人に質問票を送り、51%に当たる1630人から有効回答を得た。死亡時の患者の年齢は平均78.1歳。回答したのは配偶者が39%、子が40%などだった。
 死亡前の1カ月間に痛みが少なく過ごせたかという質問に対し、計52%が「ややそう思う」「そう思う」「とてもそう思う」と回答し、痛みが少なかったと考えられた。半面、「全くそう思わない」「そう思わない」「あまりそう思わない」「どちらともいえない」と回答し、痛みがあったと考えられた人も計36%いた。
 精神面のつらさがあったとの回答は36%だった。また、死亡の1週間前になると痛みのある患者は64%に増え、うち28%は強い痛みを抱えていた。
 一方、家族の介護負担が大きかったとの回答は42%、患者との死別後に抑うつ症状があるとの回答は17%あった。
 緩和ケアでは、医療用麻薬などを用いて苦痛を軽減する。同センターの加藤雅志・がん医療支援部長は「緩和ケアの改善で、痛みのある患者を減らせるはずだ」と話した。 (C)時事通信社