腎臓病患者に使われる後発医薬品(ジェネリック)の販売をめぐり、価格カルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は22日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、医薬品メーカー「日本ケミファ」(東京都千代田区)と「コーアイセイ」(山形市)に立ち入り検査した。公取委が後発薬のメーカーに立ち入るのは初めて。
 政府は医療費抑制のため安価な後発薬の使用を推進してきたが、2社の薬は割高に設定されていた可能性がある。
 関係者によると、2社が製造していたのは腎臓病に伴う高リン血症の治療薬「炭酸ランタン」の錠剤。リンの血中濃度を抑えることで合併症の脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ効果がある。
 2社は2018年2月に製造承認を得たが、同年9月の発売前に協議して卸売価格を設定した疑いが持たれている。ケミファは安定供給に課題があったとして同年11月に発売を停止した。
 この錠剤は水なしで服用でき、水分制限のある透析患者の利用が見込まれる。先発薬の市場規模は約290億円。
 医療機関が患者に処方する薬の価格は、国が公定価格を決める「薬価制度」が採られている。メーカーは薬価を基に卸売価格を算出する。
 国は2年に1回、医療機関への納入価格を調べて薬価を引き下げ改定しているが、2社は卸売価格を割高に設定することで、薬価の引き下げを防ぐ狙いがあったとみられる。2社の後発薬の薬価は、先発薬の4割程度だった。
 日本ケミファと、コーアイセイの親会社コーア商事ホールディングスはいずれも「検査には全面的に協力する」とコメントした。 (C)時事通信社