厚生労働省の専門部会は20日、がん患者の免疫細胞を遺伝子改変し、がんを攻撃しやすくする「CAR-T細胞療法」について、国内の製造販売を承認する意見をまとめた。近く厚労相が正式承認し、価格決定と公的医療保険適用の手続きに入る。
 承認されるのは、スイスの製薬大手ノバルティスファーマが開発した「キムリア」。CAR-Tは複数の製薬会社が開発しているが、承認は今回が初めて。
 1回の投与で済み、高い治療効果が報告されている半面、先行して承認した米国では約5000万円と極めて高額。患者の自己負担は所得に応じ数万~数十万円で、残りは公費で賄われる見通しのため、対象患者が広がれば医療財政に大きく影響するとの指摘もある。
 キムリアの投与対象は、25歳以下のB細胞性急性リンパ芽球性白血病と、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のうち、通常の抗がん剤で治癒しないなどの条件を満たす患者で、年250人程度とみられている。患者から白血球の一種であるT細胞を取り出し、遺伝子改変でがん細胞を攻撃しやすくした上で体内に戻す。
 臨床試験(治験)では、白血病の8割、リンパ腫の5割で効果があったが、再発する例も少なくなかった。CAR-Tが攻撃の目印とした分子をがん細胞が隠すなどの理由が考えられている。強い副作用も報告され、治療は医療機関を限定して行う。 (C)時事通信社