旧優生保護法下で不妊手術を強制されるなどした被害者に一時金を支給する救済法の成立後、被害者が都道府県を通じて厚生労働省に請求する際の事務に関し、同省が都道府県に通知する内容が23日、分かった。被害者からは原則、医師の診断書の提出を求めるが、心理的ストレスなどで困難な場合は求めなくても差し支えないとする。
 救済法は24日の参院本会議で可決、成立する見通し。一時金は被害者が厚労省に請求し、受給権が認定された場合に支給される。ただ、被害者の利便性を考慮し、都道府県を経由して請求できる。
 同省は、被害者が手術などを受けたことが記録などで明らかならそのまま認定。それ以外は同省内の有識者審査会が診断書や本人・関係者の話などで判断した結果を基に、認定の可否を決める。
 このため通知では、都道府県が請求を受け付ける際、請求書や住民票の写しなどのほか、不妊手術などを受けたかについての医師の診断書を提出してもらうよう求める。ただ、医師に手術痕を見せることが心理的にストレスが大きく、受診が困難な場合は提出を求めないことも容認する。
 また、通知では、被害者への個別通知について、与野党国会議員による立法過程で慎重に対応すべきだとする議論があったと指摘。被害者によっては家族に一切伝えていなかったり、当時を思い出したくなかったりする場合も想定されるとし、「個別の通知を行わずとも、支給対象となり得る者に情報が届くよう、積極的に周知・広報を行う」ことを要請する。
 具体的には、行政サービスの手続きの機会を利用した案内のほか、医療機関や障害者支援施設を通じての請求の呼び掛けなどを求める。 (C)時事通信社