旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者の救済法成立を受け、政府が24日に発表した安倍晋三首相の談話は、政府がおわびすると明記したのが最大の特徴だ。救済制度の周知徹底が今後の課題となる。
 談話では「政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわび申し上げる」と謝罪した。救済法の前文は、謝罪の主体を「我々」とぼかしており、被害者側から批判が出ていた。
 旧優生保護法をめぐっては、全国で国家賠償請求訴訟が提起されており、係争中の謝罪は異例だ。ハンセン病患者の隔離政策をめぐる訴訟の際は、政府が控訴を断念した後、反省とおわびを記した小泉純一郎首相(当時)談話を閣議決定している。
 ただ、今回の談話は閣議決定していない。謝罪のくだりを含めて救済法の文言をなぞった部分が多く、旧優生保護法の違憲性を認めず、政府の責任にも踏み込まなかった。
 救済法は救済制度を被害者に個別に通知する規定を盛り込まなかったため、被害者側には不満も出ている。談話は「政府として法律の趣旨や内容について、広く国民への周知等に努める」と強調したが、実態を伴うかが問われそうだ。 (C)時事通信社