全国の駅で列車に接触して死亡した視覚障害者が2010~17年度に計10人に上ることが27日、国土交通省への取材で分かった。18年度も視覚障害者の死亡事故は発生しており、ホームドア整備など防止策の加速が求められそうだ。
 国交省によると、10~17年度に視覚障害者がホームから転落したトラブルは計605件、ホームで列車などと接触した事故は計15件。同期間中の負傷者も5人いた。
 注目されるきっかけになったのは11年1月に起きた事故。JR山手線目白駅(東京都豊島区)でマッサージ師の男性=当時(42)=が線路に転落し、列車にはねられ死亡した。
 国交省はこの事故を受け、1日の平均乗降客数が1万人以上の駅を対象に、視覚障害者が転落の危険性を把握できるよう警告用点字ブロックの整備を鉄道各社に要請。また、同10万人以上の駅では点字ブロックに加え、ホームドアの整備も優先する考えを示した。
 ホームドア、警告用点字ブロックのいずれかは18年3月末時点で、同10万人以上の全275駅で整備された。また、同1万人以上の2161駅中93.3%の2017駅でも整備され、100%達成も視野に入る状況だ。
 ただ、ホームドアの導入はまだ全体の一部にとどまり、視覚障害者が犠牲になる事故は近年も続いている。16年8月には東京メトロ青山一丁目駅(港区)で盲導犬を連れていた会社員男性=当時(55)=が線路に転落し、列車にひかれて死亡。17年1月にもJR京浜東北線蕨駅(埼玉県蕨市)で盲導犬を連れたマッサージ師の男性=同(63)=が転落し、列車にはねられて亡くなった。
 JR富木駅(大阪府高石市)で17年10月、白杖(はくじょう)をついていた無職男性=同(59)=が、18年9月には東急大井町線下神明駅(品川区)で鍼灸(しんきゅう)師の男性=同(71)=がそれぞれ転落し、列車にはねられて死亡する事故が起きている。 (C)時事通信社