大麻成分を含むチョコレートやクッキーなどの「大麻菓子」。海外の一部地域で合法に販売されており、密輸が後を絶たない。大麻菓子と知らずに日本に持ち込み、書類送検される事態も起きた。税関当局は「菓子であっても違法」と強調し、専門家は「少量でも人体に悪影響がある」と警鐘を鳴らす。
 厚生労働省によると、「大麻菓子」は大麻に含まれる幻覚作用や記憶障害を引き起こす有害成分が入った菓子を指す。カナダや米国のコロラド州など一部地域では、こうした大麻食品が嗜好(しこう)用や医療目的で合法的に販売される。
 一方、日本では大麻取締法で所持や販売が禁止されている。神奈川県警などは、2016年11月に大麻成分入りのキャンディーを米国から輸入したとして米国人を逮捕。横浜税関は昨年1月ごろ、大麻成分を含んだクッキーの密輸を摘発した。
 相次ぐ密輸に、東京税関の担当者は「海外で容易に手に入ることも要因。菓子であっても日本では違法ということをよく理解してほしい」と訴える。
 今年3月には、東京都荒川区の社交ダンスイベントに参加した50~80代の男女7人がチョコレートを食べた後、呼吸困難や手足のしびれを訴えて病院に搬送された。
 警視庁によると、チョコレートには大麻成分が含まれ、米国に旅行した70代男性がお土産として配ったものだった。男性は「大麻が入っているとは知らなかった」と説明したが、同庁は大麻取締法違反容疑で書類送検した。
 大麻が合法化されている地域では、人体への影響について研究が進む。米コロラド大のモント・アンドリュー准教授(救急医学・医療毒物学)は「少量の大麻食品でも幻覚などの精神症状が生じる可能性がある」と注意喚起する。 (C)時事通信社