老後資金に2000万円が不足するとした金融庁の審議会報告書をめぐり、試算の根拠を厚生労働省が示していたことが13日、分かった。「政府のスタンスと合わない」として報告書の受領を拒否した麻生太郎金融相の説明に矛盾が生じており、野党は14日に開かれる衆院財務金融委員会で麻生氏を追及する構えだ。
 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、「(金融審議会が設置した)ワーキンググループ(作業部会)で、厚労省が高齢者世帯の収支差額が(月に)5万5000円となっているとの説明を行ったことは事実だ」と言及。同省はこれまで何度も同様の説明を繰り返してきた。
 4月12日の金融審作業部会では、厚労省は2017年の家計調査に基づき、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦世帯の実収入と実支出との差は、月5万5000円程度になるとの資料を提示。これを受けて作業部会は年金受給世帯の家計の赤字に関し、30年間で約2000万円の取り崩しが必要になると試算した。
 厚労省の課長は「今後、社会保障給付は低下することから、取り崩す金額が多くなる」と発言した。2月22日に開かれた同省の審議会でも、同じ資料が示され、同様の説明が行われた。 (C)時事通信社