18日決定した認知症施策推進大綱で、予防による有病率の引き下げを数値目標に盛り込むことは見送られた。一方で高齢者が集まる「通いの場」の活用など、予防効果が期待される施策の推進は強調。今後は予防に関する科学的根拠(エビデンス)の確立が求められるが、分からない部分も多く、時間がかかりそうだ。
 海外の研究では晩年期の社会的孤立や運動不足に加え、中年期の肥満や高血圧、若齢期の教育歴も「予防可能な危険因子」に挙げられているが、完全に確立された根拠とまでは言えない。
 「70代の発症を10年間で1歳遅らせる」目標が入っていた大綱原案には「認知症予防に関するエビデンスはいまだ不十分」とも書かれていた。政府内でも科学的根拠の確立が大きな課題との認識が強かったことを物語っている。
 それでもあえて数値目標を検討したのは、根拠をそろえて予防法を確立するには「数十年単位で時間が必要になるかもしれない」(厚生労働省の担当者)ためだ。同省幹部も「観察が済むのを待っていれば対策が間に合わなくなる」と指摘。急激な高齢化が進む中、効果が「期待」できるレベルの施策であれば早急に取り組む必要があると訴える。 (C)時事通信社